【感想】The Five Corners Quintet Live @ Billboard Live Tokyo

mixiにも書いたですが、15日にフィンランドのジャズユニット、
The Five Corners Quintetのライブに行ってきました。

CDはすべて持ってますし、トランペッターのJukka Eskola、
サックスのTimo Lassyをそれぞれ
別のライブで見たことがあったのですが
バンドとしてライブで聴くのは初。

結論からいうと、かなり良かったわけなんですが、
顛末を時系列でつらつらと。

たまたま空いてた客席最前列を陣取り、どんなもんじゃいと
ちょうどいい高さで手に届くステージに
左腕をかけてのんびり待っておりましたです。

CDでの先入観としては、割とSmoothで軽い、
わかりやすいジャズをやるバンドという印象で、
率直に言うと好きとか嫌いとかっていうのもないような
いや好きなんだけどねと、そんな感じの心持ちで、
それがライブでどう映り、聞こえるか、
そのままなのか変わるのか、その辺を楽しみに。

んで、
待つこと1時間強、夜7時。

おもむろにメンバーが袖から出てきて、
それぞれの定位置につき、
軽くアイコンタクトをして、
ズドンと一音、ライブがスタート。

うおっ
かっこいい。

CDで得ていた印象よりはずっとバップかつアーシー。
50~60年代ハードバップの現代風アレンジというか。
録音よりもずっと重たくてしっかりしたグルーヴだし、
プレイもかなりエモーショナル。

「割とSmoothで軽い、わかりやすいジャズをやるバンド」
なんて書いてすいませんでしたという感じ。
いや、今書いたんですけどね、その時はそう思ってたんですってば。

ちょいと気になったところでは、
ドラマーのTeppo MäkynenがMC冒頭の挨拶で、

“We are The Five Corners Quintet, from Helsinki…
Finnish jazz messengers.”

って言ってて、
その”Finnish jazz messengers”って言葉が、
フィンランドジャズのメッセンジャーって意味なのか、
それともArt Blakey & the Jazz Messengersを意識して言ったのか、
どっちかは判然としなかったのですが、
サウンドを聞いているうちに妙になるほどなと納得してしまったり。
いや、実際どうかはわからないんですけどね。勝手に。

ちなみにその辺の話については
家に帰ってからも調べてみたんですけど、
ここ↓のインタビューでプロデューサーのTuomas Kallioが、

http://www.iloud.jp/artists/the_five_corners_quintet/the_five_corners_quintet_129.php

“音楽的な面においてTFCQが目指すところは、ダンス・フロア向けの楽曲と、過去の職人気質な音楽との融合。クラシックなジャズと同じくらいヒップなんだけど、それでいて曲の内容そのものは磨かれていて、今っぽく聴きやすいもの。ハウシーなニュー・ジャズじゃなく、クラシック・モダニストのスピリットを持ったジャズだね”

とか、

“ハウス・ビートの上にジャズの要素をのせるのではなく、クラシックなモダン・ジャズのように聞こえるサウンドをつくることが重要なんだ。曲構成を磨き上げて、ダンス・フロアにも合うようにしているよ。(中略)僕らは普段ジャズを聴かない層に対して、新しいジャズを提示したいと思っているんだ。”

とか、

“さっきも言ったようにTFCQの目標は、そのジャズ黄金時代のサウンドや雰囲気を、現代のリスナーの期待や要望に添うものにすることなんだ。曲の真ん中に2分間のベース・ソロなんか入れないで、曲構成を磨いて、より多くの人が入りやすいジャズにする。同時に、ちゃんと正統なジャズに聞こえるようにもする。それがアルバムの最重要点だね”

とか言ってて、
そう考えるとあながち間違っていないのではと思ったわけで・・・

・・・と、いきなりライブの話から脱線して、
そもそも最初以外全然時系列でもないですけれども、
とにかくその時の印象としては、
先入観よりもずっとどジャズなことをするバンドなんだなと。

あと、Teppoをはじめ、メンバー全員
演奏しててすっごく楽しそう!
それがサウンドにもいい影響を及ぼしていたし、
聴衆にもすごくよく伝わってきました。

てなわけで、かなり良かったです。結論として。

ただ、CDからの印象と少し変わった分、
いわゆるJazzLand周りとかKoopとかいった
北欧クラブジャズ的文脈の中で語るにはすこし違和感というか、
注意が必要だなと、そんな風にも思いました。
シーンとして語る分にはアリだけど、少なくともサウンド面では。

てなわけで長くなりましたが、感想おわり。
今後も注目していきたいです。

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